瞑想の後は洗脳しやすくなるため、高額セミナーへの勧誘も頻発している
最近、流行しているマインドフルネス。この言葉を耳にしない日はないくらいの大ブームだ。
現在、マインドフルネスについてのセミナーがあちこちで開催され乱立し始めている。
しかし、このマインドフルネスには明確な定義がない。マインドフルネスとは一般に、「今の自分の状態に意識を向けることで、悩みや不安、怒りによるストレスを取り去り、心身を根本からすっきりさせる方法のこと」を指すという。明確な定義がないにもかかわらず、まるで鬱対策やストレス対策のように推奨されるのには疑問が湧く。
ストレスに満ちた毎日を解消するには瞑想が一番の効果をもたらすとNHKの番組で発表されて以来、空前の瞑想ブームである。クリント・イーストウッドやデビット・リンチがやっているということを売りにして市場は広がるばかり
だが瞑想と一口に言ってもさまざまな流派や方法が多様に存在している。
瞑想が最初に流行ったのは20数年前のニューエイジブームからだ。日本にはそれ以前に座禅というものもある。そのためスピリチュアル好きな女性はもちろん、座禅の延長と考える男性のビジネスマンにも受け入れやすい。数年前からのヨガブームでヨガの延長として瞑想を教えている教室も増えている。
気にかかるのは、ひとくちに瞑想といっても様々な種類があり、一般の瞑想初心者がどれくらい瞑想法を区別できているのかというところだ。まず大きく瞑想法を分類して説明してみよう。
・インド式瞑想
10日間の沈黙の業で有名なビッパサナーなどインドから世界に伝わった形式を指す。ヨガ教師が教室で行うのも同じ系統。超越瞑想(TM)はこの発展系である。
・禅系瞑想
日本古来の禅を用いた瞑想。型を重んじ、正座かあぐらで行われる。どちらかというと精神鍛錬に近いため、瞑想状態にまで至らないことが多い。
・スピリチュアル系瞑想
瞑想の中でスピリチュアルなトークがあり、特長として大天使を呼び寄せ、愛と感謝がメインテーマ。呼び寄せる天使により効能が違うといわれる。
・ニューエイジ系瞑想
20年以上前に流行したアメリカのニューエイジ運動から発展した瞑想。例えばダイナミック瞑想など自分を開放する動時と瞑想する静時の極端さが特徴。ヘミシンク瞑想はここから発達した瞑想のひとつ。
・日本式独自瞑想
すべての要素をミクスチャーした形で発展した瞑想。日本式の神が登場したり宇宙が登場したりする。すでにある様々な集合知の言葉を使っているので非常にわかりやすい。
どの瞑想も指導者によって方向性や思想が違うので、一概にどれがいいとはいえばないが問題はこの先に潜んでいる。
日本独自の瞑想ですべての宗教的要素をミクスチャーしたと聞くと、筆者がすぐに思い出すのはオウムだ。神道、仏教などの神秘的要素をすべてごちゃまぜにした漫画的なストーリー作りで、90年代の若者に急速に広がったことは記憶に新しい。もともとオウムはヨガの団体だったのだ……とはいっても既にオウム事件から25年を過ぎ、オウム自体を知らない若者は多い。