「株やFXは値動きが気になってしまいますが、SLはお金を入れたら完全に放ったらかし。精神衛生的にもSLは魅力的です(笑)」
そう話すファイアフェレット氏は、貸し倒れリスクを勘案して、ローリスクで利回り5~7%の商品を7割、ミドルリスクの利回り8~10%程度の商品を3割というバランスでポートフォリオを組みながら運用している。その中から、今回は初心者のためにオススメのSL事業者と商品をセレクトしてもらった。(記事最後に掲載)
「SL事業者は個人的に使い勝手のいい業者をセレクトしました。商品のほうは、私が実際に投資しているものです。クラウドバンクの中小企業支援型ローンファンドは担保を取って中小企業に運転資金を貸し付ける商品。オーナーズブックおよびSBIソーシャルレンディングの商品は抵当権を設定したうえで不動産取得費用を貸し付ける商品なので低リスクのため、初心者にはオススメ。ただ、興味深いのはクラウドクレジットの商品です。発展途上国の中小企業や債務者を支援するファンドは他社にない商品で利回りも魅力的」(同)
特に目を引く「ペルー小口債務者支援プロジェクト」という商品は、ペルーの小口の不良債権を買い取って債権回収を行うプロジェクトに資金を拠出するファンドだ。11%超の高い利回り設定だが、クラウドクレジットの杉山智行社長によれば、「1号ファンドの運用を開始してから約3年間、想定通りのリターンを獲得している」という。ただし、すべての商品が必ずしも、期待値通りのリターンを得られるわけでもない点は要注意。
「当社では海外の資金ニーズと日本の投資家をマッチングさせる商品の開発に注力しています。発展途上国のノンバンクなどに貸し付けるファンドもあるため、ハイリスク・ハイリターンとなりがち。運用中の商品の5%弱に元本割れのリスクも生じています」(杉山氏)
曰く、「5%弱」という元本割れのリスクはSL業界で最も高い水準。裏を返せば、“ほぼすべて”の商品は高い利回りをキープしているとも言える。これで10%超のリターンが得られるならば……大いに投資する価値あり!