文科省が検討する大学入試英語への「民間試験導入」が抱える課題とは?

TOEICが抱える根本的問題

 TOEICの抱える根本的な問題とは何なのか? 「TOEIC試験の性質として、“ビジネスに役立つ”という点があります。一方、TOEFLやTEAPの試験はより“アカデミック”です。同じ民間試験とはいえ、英語の勉強へのアプローチ方法が全く異なるのです。  英語を学ぶ学生が、スーパーグローバル大学などへの進学や海外大学への留学を考えるなら、アカデミックな英語の習得が必要ですし、より実学やビジネスのための英語を学びたい場合はむしろTOEICの勉強の方が役立つに場合が多いでしょう。  大切なことは、“大学で必要な英語と、高校で学ぶ英語のミスマッチを起こさない”ことです。そのために、文部科学省は正しく民間試験を選定する必要があり、それが”高大接続”(高等学校教育と大学教育を一体としてとらえた教育のあり方)の実現のために欠かせません」 <文/HBO取材班> 三石郷史●株式会社キャタル代表取締役社長。優秀なバイリンガルに共通する学習法を日本で学べるメソッドを提供する『英語塾キャタル』を主宰。2002年の設立以来15年間延べ6000人以上の小中高生が4技能型の英語を学ぶ。
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