パチンコホール企業「オークラ」が香港で上場申請した理由とは?

上場がパチンコホールにもたらすメリット

 香港であれ日本であれ、上場することによって、パチンコホールにはどのようなメリットが生まれるのか。  やはり第一は資金調達である。ダイナムは上場することによって、200億円以上の資金を調達出来たと報じられており、ニラクは53億円を調達している。  若年層のパチンコ離れや、客層の中核を担っていた高年齢層の離脱。一時の隆盛は今は昔、不況に喘いでいる。資金力のないパチンコホール企業は淘汰され、業界は大きな変革の時を迎えている。具体的には今後、企業買収が活発に行われ、全国1万店舗と言われているパチンコ店は、半数近くまで統廃合されると言われている。  そのような状況において、上場における資金調達のメリットは計り知れない。  資金調達よりも更に大きなメリットと言われるのは、社会的な地位の確立である。  パチンコホールには常にグレーなイメージが付きまとう。しかし「上場」という二文字が、それを払拭する。上場という企業価値の向上は、金融機関に対する大きなインパクトにもなれば、人手不足の業界で人材確保の有力な手段にもなる。反面、営業に関わるコンプライアンスや従業員の働き方等で、相応の対応が求められる。  今、パチンコホールも大きく様変わりしようとしている。  カジノ法案との関連の中で、ギャンブルやパチンコが広く議論され始めた。依存問題等の、今まで蓋をしてきた問題にも正対し解決に動かなくてはならない。古くからの慣習は既に瓦解した。パチンコは必ずしも必要なものではない。しかし、「あってもいいじゃん、パチンコ」くらいにはなっても良いと思う。社会が、パチンコをどう接するかは、その主体であるパチンコ企業次第である。 <文・安達 夕 @yuu_adachi
Twitter:@yuu_adachi
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