パチンコホール企業「オークラ」が香港で上場申請した理由とは?

王蔵の屋号ビッグアップル属するKsグループ公式HPより

5月11日、ロイター通信他、複数の関係メディアが、パチンコホールを経営する「オークラ」が香港証券取引所に上場申請をしていることが分かったと報じた。 「オークラ」とは、長崎県に本社を置き、九州地方や東京、神奈川等でパチンコホールを17店舗経営している王蔵株式会社(2012年に株式会社ケイズより社名変更)のこと。「ビックアップル」、「ケイズプラザ」等の屋号で展開している。特に2003年にオープンした「ビックアップル秋葉原店」は、オタク向けの大胆な機種構成で話題になった店舗だ。  香港証券取引所に提出された申請書類では、王蔵株式会社は2015年末現在、店舗数ランキングは業界68位。2015年12月中間期では、貸玉営業収入(売上から客の「勝ち分」を引いた額)が238億4,900万円となっている。上場による調達資金はホール企業の買収やホールのリニューアルなどに投入する計画という。

なぜパチンコホールは香港で上場するのか?

 王蔵株式会社の上場が認められれば、パチンコホール運営企業の香港証券取引所上場は、2012年のダイナム・ジャパンホールディングス(本社:東京都、屋号「ダイナム」、「信頼の森」等)、2015年の株式会社ニラク・ジー・シー・ホールディングス(本社:福島県、屋号「ニラク」)に次ぐ三社目となる。  上場しているパチンコホールは前述の2社だけであるが、この度の王蔵を含め、日本ではなく、香港での上場を狙うのは何故なのか。  そこにはパチンコホールの特殊な事情がある。  実は、日本で上場しようとしたパチンコホール企業がある。ピーアークホールディングス(本社:東京都、屋号「ピーアーク」)がそれだ。ピーアークは、2012年にジャスダックへの上場を申請したが却下された。却下された理由は、特殊景品の換金システム(三店方式)の合法性が曖昧なため、投資家保護を果たせないというもの。それ以降、パチンコホール運営企業の、日本での上場を目指す動きはない。  換金システムだけではない。パチンコ台のいわゆる「釘調整」も問題の一つだ。  パチンコ店は、パチンコ台の釘を調整することによって利益を生み出している。しかしこの釘調整は、警察署の許可無く行った場合、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の禁止事項である。既に上場している2社は、この法的なグレーゾーンである換金と釘の問題について、 “換金問題に関しては、景品交換所、卸問屋とパチンコホールの三店は、人的にも資本的にも一切の関係を持たない独立した業態であり、パチンコホールの外に出た賞品(景品)を、客がどう扱おうがホールは関知しないものである。釘問題に関しては、あくまで出荷時と同様の状態に原状復帰させるためのメンテナンスであり出玉率の操作ではない”  と説明している。
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上場がパチンコホールにもたらすメリット
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