東芝だけに限らない、経営再建中の企業にありがちな不動産売却。その最新動向は?

 また、公表売却土地面積のトップは、JR東海の子会社で鉄道車両メーカー、日本車輌製造の65万2781平方メートル。海外事業での多額損失や長期借入金の金額繰り上げ返済に充てるため、愛知県内の3工場や駐車場・展示場などを売却した。  ただし、総数で見た場合、こうした工場や支店、事務所といった事業資産の売却は少なく、余剰資産の遊休地や駐車場、賃貸用不動産などの売却が半数を超え、40社にもおよんだ。

集約を進める企業は増える

 業種別では、卸売が10社で最多。次いで機械が9社、サービスと電気機器がともに7社。5位には小売が6社で続く結果となった。ただ、売却した面積でみると、輸送機械が7429万9055平方メートルで最も多かった。次いで、2589万1456平方メートルの機械、6万5055平方メートルの電気機器という順番だった。  こうした結果に、東京商工リサーチは、「好業績を背景に、上場企業の不動産売却は、業績悪化などを要因にしたケースは少ない。ただ、業績が好調でも将来のビジネス展開を見据え、余裕を残して事業を見直し、工場や店舗、事業所などの集約を進める企業は増える」と分析している。  今後、経営を安定させるための手段として不動産売却を推し進める企業はますます増えるかもしれない。 【参照】 東京商工リサーチ「2016年度『東証1部・2部上場企業不動産売却』」 <取材・文/HBO取材班>
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