中国からの医療ツーリズム、ニーズも多様化。予防医療やアンチエイジングに注目

中国の富裕層向けのVIP病院の診察室

 日本政府が2020年までに訪日外国人2000万人を目指すとした目標はすでに達成し、今年は、3月15日からの中国人団体ツアーの訪韓禁止の影響でさらに訪日中国人が増えるのではないかと予想されている。  そんな中、中国から日本への「医療ツーリスト」が増加しているという現状を2015年12月にもお伝えした。(参照:「インバウンド消費は医療にも。増える中国人医療ツーリスト」)その記事から1年半ほど経過し、そのニーズはさらに多様化し、市場が拡大し続けている。  中国からの医療ツーリストの目的でもっとも多いのは、PET/CT診断や人間ドックだ。中国では洋食の普及や社会の近代化の影響でがん患者が急増している。もちろん、中国でも、すでに大病院には日本と同水準の検査機器が導入されている。しかし、それでもなお日本でがん検査を行うことを希望する中国人は少なくない。  というのも、中国国営『新華社』が発表した2015年中国におけるがん患者の5年生存率は36.9%だ。一方、日本は、国立がん研究センター発表、2007、08年調査で69.4%なのである。この数字は、すでに調査から10年近く経過しているので中国では日本の5年生存率は70%を超えているとの見方がメディア等で紹介されている。この数値には、もちろん医療技術の差や、人口比で最新機器が揃った病院の数が少ないこともあるんだろうが、実際のところは中国には国民皆保険制度が確立されていないので定期検診などの習慣も根付いておらず発見が遅れるという事情によることも大きい。しかし、それでも中国の富裕層にしてみれば、生存率7割超というのは魅力的な数値なのであろう。  そして、いま、PET/CT診断や人間ドックに加え新しいトレンドが生まれているという。
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中国からの医療観光ニーズ
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