――選挙における街頭演説と同じ意味があるのではないでしょうか。立ち居振る舞い、コミュニケーションの仕方、それにより千差万別の市民の方々が、募金ならぬ票を投ずるかどうかを決めますからね。
本サイトで、「分解スキル・反復演習が人生を変える」を連載中の山口博氏
藤村:そのとおりだと思います。人の支持を得られるかどうかを実践する場ですね。しかし、それは、ビジネスパーソンにこそ必要なことではないでしょうか。社内においてチームを巻き込んでいく、お客さまを巻き込んでいく、この実践なくして、ビジネスは成り立たないでしょう。そして、そのフィールドは、国内のみならず、グローバルに広がっている。グローバルスタンダードの実践力を身に付けなければなりません。
山口:私が展開している「分解スキル・反復演習型能力開発プログラム」は、例えば、アイコンタクトの秒数やアイコンタクトを外す方向を、あるいは、合意形成のための4つの質問やコーチングのための5つの質問を、理屈抜きで、ひたすら反復演習して体得していくものです。日本のビジネスパーソンが忘れかけていたビジネススキル訓練の場を提供しています。
――実践力を高めるために、最も重要なことは何でしょうか?。
山口:意識を変えろといっても変わりません。意識を変えて行動を変えようと思っても、時間を要するものです。まずは、パーツ行動を実践していくことが必要です。パーツ行動の実践が習慣化されれば、行動が変わります。私は、分解スキル・反復演習こそが実践力を高めることに他ならないと思っています。
藤村:「広い視野」や「行動力」が不可欠でしょう。しかし、最も大切なのは、「暖かい心」ではないでしょうか。「世のため人のために生きる」という「志」だともいえます。その志が実践力の度合を決めるのではないでしょうか。1人でも多くの大学生が、ビジネスパーソンが、それぞれの立場で、世界を変革する実践に参加していただきたいと願ってやみません。
<取材・文/山口博>
【山口 博(やまぐち・ひろし)】株式会社リブ・コンサルティング 組織開発コンサルティング事業部長。さまざまな企業の人材育成・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『
チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある