歴史に名を刻んだ日本最大のホビー店「アソビットシティ」閉店! 爆買いバブルに踊らされたラオックス、次の一手は?

中国企業ならではの「身のこなしの早さ」が仇に

 中国資本となった後も順調と見られた秋葉原アソビットシティであったが、2014年ごろから中国人観光客による「爆買い」がブームになると状況は一変する。  ラオックスは「国内最大規模の免税店」のキャッチフレーズを掲げ、爆買いの波に乗り2014年に黒字転換を果たすと同年終わりには397億円の大規模増資を実施、中国企業ならではとも言うべき「スピード感」で一気に事業拡大を図る。2015年6月には新宿のファッションビル「マルイワン」跡(伊勢丹前)に旗艦店を出店したほか、2015年から2016年にかけて百貨店の大丸心斎橋本店、京都店、神戸店、博多大丸福岡天神店に相次ぎ出店。合わせて小樽、函館、長崎、佐世保、熊本など地方出店も加速させた(一部は団体ツアー客専用店)。

地方への出店も加速した(宮崎県日南市)

 そうしたなか、アソビットシティにも大きな転機が訪れる。秋葉原アソビットシティも爆買いブームの波に乗る形で2015年7月に「ホビー用品も販売する免税店」となるべく全面改装を実施。多くのフロアがラオックス本館と同様の中国人向け家電・宝飾品売場に衣替えされたうえ、ホビーフロアも中国人観光客を大きく意識する内容に変わった。  しかし、この改装は完全に失敗に終わった。これまでアソビットシティの主要客層であった日本客が大幅に減ってしまったばかりか、「免税店」とも「ホビー店」とも言えないどっちつかずの中途半端なスタンスでは外国人観光客を集客することも難しく、閑古鳥が鳴く状況となってしまう。たとえ、中国から来日した趣味人が来店したとしても「前の売場のほうが良かった」と言ったであろう。  アソビットシティは2017年1月に全面改装をおこない再びホビー店としての再出発を図ったものの、売場は大幅に縮小。いったん離れた客を取り戻すことも難しく、結果として閉店に追い込まれたと思われる。  秋葉原アソビットシティの閉店により、「アソビットシティ」はラオックスキャナルシティ博多店のなかに設置された店舗のみとなるが、こちらも当初の商品構成とは異なり訪日観光客向けの商品が中心となっており、同店の改装とともに長年親しまれた「アソビットシティ」の屋号が完全に姿を消す可能性も高い。  アソビットシティは長年に亘って趣都・秋葉原を牽引してきた大型店舗であり、多くの家電量販店のホビー販売拡大のきっかけの1つとなった店舗でもあった。それだけ大きな存在の店舗でありながら閉店告知も店舗閉鎖の数日前というドタバタ具合で、経営の迷走ともいえる理由での「あっけない幕切れ」は非常に残念なことであった。  4月現在、秋葉原アソビットシティ跡地の活用方法は発表されていない。JR秋葉原駅近くの一等地だけに、店舗跡の行方も気になるところである。
次のページ 
今後は「コト消費」重視に転換?
1
2
3