殿様の血を引く知事一覧。ポンジュースの名づけ親、大の猫好き…先祖顔負けの個性で乱世を渡る

「鬼義重の再来」と話題になる

 また、松平勇雄氏は、幕末の会津藩主・松平容保の孫であり、県立図書館や美術館などの文化施設を設置し、「文化の知事」の異名をとった。  加納久朗氏は、最後の一宮藩主だった加納久宜の次男で、戦前に子爵だったことから言葉遣いにこだわりがあり、知事時代は県庁の応接室を「オオセツマ」とカナ文字表記させた逸話がある。  久松定武氏は、伊予松山藩主久松家の嫡流であり、5期20年もの長きにわたり知事として県政に君臨し、「ポンジュース」の名付け親にもなった。鍋島直紹氏は、明治維新の原動力になった薩長土肥の一翼を担った肥前藩の支藩・鹿島藩主鍋島家の15代当主で、地元の人々から親しみを込めて「とんさん(殿さん)」と呼ばれていた。  そんな歴代の“お殿様知事”の中でも抜群に個性が光っているのが、佐竹氏の言動だ。  昨年8月には、北朝鮮が発射したノドンとみられる弾道ミサイルが、秋田県男鹿半島沖250キロの日本海に着弾したが、その際に「戦前なら応戦する事態だ」と激しい怒りをあらわにした。佐竹氏の先祖には、戦国時代に”鬼義重”として恐れられた佐竹義重という武将がおり、戦国武将を主人公にしたゲームによく登場するキャラクターでもある。そのため、先祖を彷彿とさせる佐竹氏の武闘派ぶりは、歴史マニアやゲームファンの間で「鬼義重の再来」と話題になった。
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前例にとらわれないユーモアな姿を見せることも
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