xiangtao / PIXTA(ピクスタ)
GE、マイクロソフトをはじめとした米国の名だたる企業において半年や1年など定期的に人事評価を実施することを見直す動きが加速しているという。全社で一斉に一定時期に評価を実施することをやめ、随時評価に移行しているのだ。定期評価をやめることなど出来るのか、評価にかかる負荷は増大しないのか。
マネージャーになれば半年か1年ごとに、「人事評価を実施してください」と通知が来る。たいていは期末や期初など多忙な時期と重なるため、多くの部下を抱える評価者なら「この間、やっと全員の面談が終わったと思ったら、また始まるのか。」と、愚痴のひとつもこぼしたくなるだろう。
その「定期評価」をやめる動きが、今、企業に広がりつつある。例えばSAPジャパンでは、今年度より年次の評価レーティングを廃止する。評価者は日常のマネジメントを通じてリアルタイムで評価とフィードバックを行うという。このような動きは主に米国企業で先行して見られており、年次評価の廃止(No Ratings)は、次世代の人事施策としてホットな話題となっている。
しかし1990年代後半から2000年代にかけて、米国発の「成果主義」に日本企業がさんざん振り回されたことは記憶に新しい。その試行錯誤の結果、日本企業には独自の成果主義的人事制度が育っている。「No Ratings」をそのまま移植しても同じような効果は得られないだろう。そこで日本企業における実現度を探ってみよう。