脱「成果主義」の黒船到来か!? 定期評価「しない」評価制度の実現度

「定期評価」はすでに評価制度の足枷となっている

 成果主義の導入で「個別のパフォーマンスに基づいた評価」を宣言した結果、その「個別」の理由を説明することが必要となった。いわゆる「評価フィードバック」の実施である。さらにMBO(目標管理制度)を導入した企業では、目標設定・進捗管理・達成後の振り返り面談も実施されている。  また、年功序列・終身雇用を前提とした会社と社員の関係が再定義されるに従い、大企業を中心に社員のキャリアサポートを目的とした面談も導入された。キャリアディベロップメントプログラム(CDP)である。評価面談との連携を進めている企業もある。  人事評価=「賃金決定システム」だった時代には、賃金決定時期と評価時期とが一致していることに合理性があった。しかし人事評価の目的が拡大した結果、その合理性は薄れつつある。  もし本当に評価制度をMBOやCDPと連携させて全体の目的を果たすのであれば、最適な評価とフィードバックのタイミングを、人事ではなく現場マネージャーがそれぞれ決めて実施すべきだ。いまや「定期評価」は、人事制度の足枷となっていると言っても過言ではない。

評価スパンは現場が決めよ

 つまり成果主義とMBOを導入済の企業では、「定期評価」をやめて随時評価に移行することで評価の目的と運用実態のミスマッチを解消できる可能性があるということだ。  ただ、懸念点もある。評価者に評価とフィードバックの頻度を委ねて公平な運用がなされるのか。マネージャーの負荷は増大しないのか。そして、賃金査定に支障はきたさないのか。  まず、完全に随時評価に移行するのではなく、職場や年次によって評価サイクルのパターンを分けることから始めるのが現実的なスタートではないか。こまめな評価を実施しない評価者が放置されると公平感は損なわれてしまう。しかし日本の多くの企業はマネージャーの降格には慎重である。最初は会社が一定の枠組みを提供したほうがよいだろう。  そして、評価サイクルのパターンは現場主導で決めてもらうことだ。できればマネジメント上の進捗確認ミーティングと連動させて実施する。毎週~毎月実施している確認ミーティングのうち、何回かに1回が評価のフィードバックや目標すりあわせになるイメージだ。
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人事評価を現場に委ねる
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