チームと同じモチベーションファクターの顧客には対応しやすいが、チームのモチベーションファクターとは異なる顧客に対しては、からきし営業プロセスを回しにくいということに直面しかねない。
そこで、チームメンバーをモチベーションファクターのバランスをとりながら決定していくというモチベーションファクター組織開発が必要となってくる。この場合は、特定のモチベーションファクター(例えば「目標達成」とか、「他者協調」とか)の人だけで集めるという方法もあれば、狩猟型と農耕型のバランスをとる方法もある。どちらが良いとは一概に言えないが、前者は短期的なパフォーマンス発揮には有効だが、中長期的には顧客が千差万別な分、脆弱な組織と言わざるを得ない。
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モチベーションファクター組織開発は、モチベーションファクター別のリソースアロケーションと組み合わせて実施することが一般的だ。モチベーションファクター別リソースアロケーションとは、例えば、トップとナンバーツーのモチベーションファクターの組み合わせや、異動をする場合に、どのモチベーションファクターの人を出して、どのファクターの人を受け入れるかということだ。
プロスポーツのストーブリーグで、ポジションをふまえた上でトレードをすることはあたりまえのこととなっているが、実はビジネスパーソンにおける人事異動では、必ずしもそれが考慮されていないケースが少なくないのだ。
※「モチベーションファクターを見極めるスキル」は、山口博著『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月。ビジネス書ランキング:2016年12月丸善名古屋本店1位、紀伊國屋書店大手町ビル店1位、丸善丸の内本店3位、2017年1月八重洲ブックセンター4位)で、セルフトレーニングできます。
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第30回】
<文/山口博 photo by
AlexanderStein via pixabay(CC0 PublicDomain)>
【山口 博(やまぐち・ひろし)】株式会社リブ・コンサルティング 組織開発コンサルティング事業部長。さまざまな企業の人材育成・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『
チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある
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