自分や相手のモチベーションファクターを見極めた上で、次に実施することは、相手のモチベーションファクターに応じたマネジメントやコミュニケーションをすることだ。まずは、自分と同じモチベーションファクターの相手へのコミュニケーションを検討するところから始める。
どのようなコミュニケーションをされればマネジメントされやすいか、ものを買いやすいか、自分のことは自分が一番よくわかっているので、自分のモチベーションファクターについては類推しやすいからだ。その上で、自分とは異なるモチベーションファクターの相手へのコミュニケーションを考える。まずは、同じ型で違うモチベーションファクターの相手からはじめ、次に別の型の相手へのコミュニケーションを検討するのだ。
例えば、自分が「自律裁量」であれば、まずは、自分と同じ「自律裁量」のモチベーションファクターの相手へのコミュニケーションを考え、次に、同じ「狩猟型」で「自律裁量」以外の、「目標達成」か「地位権限」、その後、別の型である「農耕型」の「他者協調」「安定保障」「公私調和」の検討に入る。自分のモチベーションファクターに近い順に検討するのだ。
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企業や団体で、モチベーションファクターに応じたマネジメントやセールスのプロセスや話法を作り上げる演習をしていて、必ずと言っていいほど出される課題の第一が、モチベーションファクター別の人事配置を実現することだ。
演習をしてく中で、社員ひとりひとりのモチベーションファクターが詳らかになっていく。あるチームは、狩猟型ばかりが集まっている。また、別のチームは農耕型ばかりが集まっているといった状況に出会うことがよくある。
自分と同じモチベーションファクターの人同士は話しやすかったり、気心が知れやすかったりするので、自然と同じ群れをつくりやすい。意識していようがいまいが、自分と同じモチベーションファクターの人を採用したり異動受け入れしやすかったりするものだ。
かくして、同じ企業や団体、ひいては業界で、同じモチベーションファクターの人が多くなる傾向が出てくるのだ。同じモチベーションファクターの人だけが集まった組織は、組織内においては緊密な結束を持っていると言えるが、千差万別、各々のタイプに分かれている顧客の全てに対応できるかというと限界がある。