日本各地で進む地域密着型の高速通信 その目的と展望は

存在感を示すHCE

 地域BWA高度化方式の導入に際し、コア設備を持てば柔軟な回線設定や自社でSIMカード発行も可能となるが、財務面や技術面で障壁が高い。全国事業者のコア設備に回線接続する地域事業者も存在する中で、HCEは地域BWA高度化方式を導入した地域事業者としては唯一、自社でコア設備を保有する。  コア設備を保有すれば自社で閉域網の構築や優先度(QoS)の制御など回線設定の自由度が高まる。例えば、閉域網の構築で高セキュリティを実現するほか、災害時は災害用通信の優先度を高くするなど、状況に応じて柔軟に対応できる。これは地域BWA制度の本懐を遂げるうえで大きな利点と言える。

HCEが最初に運用を開始したAXGP基地局(兵庫県神戸市)

 HCEはほかの地域事業者に対して自社のコア設備の利用も受け入れており、日本各地の地域事業者はコア設備を持たなくとも、基地局を設置してHCEのコア設備を利用すれば地域BWA高度化方式を導入できる。地域BWA高度化方式の導入を容易にして普及を促進するほか、地域事業者間で知見の共有など連携を深めることで、連携する地域事業者全体で規模拡大が期待できる。  HCEは地域事業者として柔軟かつ最適な対応を取れるため、コア設備の提供で全国事業者より優位に立てるアピールした。このようにHCEは先導的な役割を担い、存在感を示している。

ZTVが滋賀県で最初に運用を開始したAXGP基地局(滋賀県大津市)

 HCEのコア設備を利用する地域事業者は2017年2月時点でベイ・コミュニケーションズ(ベイコム)、姫路ケーブルテレビ、秋田ケーブルテレビ、アドバンスコープ、ZTV、愛媛CATVで、いずれもAXGPを採用し、このうちベイコムと姫路ケーブルテレビは阪急阪神ホールディングスの一員である。
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さまざまな導入事例
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