もうひとつ、2014年にはイタリアでも似たような実験が行なわれました(2)。268名の男女に6カ月のダイエットにチャレンジしてもらい、アルコールの摂取量と体重の変化をチェックしたのです。もちろん、こちらも食事の摂取カロリーは一定に調整されています。
これまた結果はほぼ同じで、ダイエット中にアルコールを大量に飲もう飲むまいが、減量の成功とはまったく関係がなかったとのこと。やはり、アルコールのカロリーだけで体重は増えないとみてよさそうです。
続いて、「アルコールで食欲が増すから太る」という説についてはどうでしょうか?この問題については、2011年にマイアミ大学がおもしろい研究を行っています(3)。
調査の対象になったのは、120,877人の平凡な男女です。研究チームは、全員のアルコール摂取量と食事量を4年にわたって記録し続け、酒で体重がどう変わるかを調べあげました。
その結果わかったのは、「酒をよく飲む人ほど体重が増えやすい傾向はあるが、その影響は4年で0.19kgぐらい」という事実でした。確かに、酒が好きな人ほどポテチや加工肉といった不健康な食品に手を出す傾向はあったものの、肥満を引き起こすほどの悪影響はないようです。
また、2010年にも似たような研究が行われましたが、こちらも結果は変わりません(4)。43,093人のアルコール摂取量と肥満の関係を1年にわたって調べたところ、酒をよく飲む男性ほどBMIが増えていく傾向はありつつも、その影響はたいしたレベルではなかったようです。