新大統領の意向によっては、日韓合意が反故になる可能性も
日本大使館の長嶺全権大使が大使館に復帰する条件は、あくまで「釜山領事館前の『慰安婦像』の撤去(移設)」ではあるが、仮に朴槿恵大統領の弾劾が決議され、2か月以内に公示される大統領選の結果によっては、慰安婦問題の日韓合意も反故される可能性もあり、問題の長期化の避けられない状況だ。
30万人規模ともいわれる米韓合同軍事演習に対抗した北朝鮮のミサイル挑発や、金正男氏の暗殺事件、THAAD(高高度防衛ミサイル)の韓国配備による中国との外交経済摩擦など、米中・朝鮮半島を取り巻く情勢が刻一刻と緊張感を増しているなか、全権大使の不在やハイレベルの経済協議の中断が、日本外交に不利益を生じさせなければいいのだが……。
<文・安達 夕>