カプセルコーヒー市場の牽引者、ネスプレッソ社長が語る 「日本のコーヒー市場の可能性」とは?

コーヒー市場としての日本の魅力3つのポイント

――2016年の御社の業績発表では昨年は中国・韓国が健闘したとあります。中国経済が傾いているとは言われますが、世界的な企業の多くはアジアでも中国市場に注目することが増えています。御社がなぜ日本市場をそこまで重要視するのでしょうか? 「日本には3つのポイントがあると考えています。  1つ目は文化です。元々お茶の文化を持つ国であり、その一方でコーヒーが根付いて100年経っていません。数百年間コーヒーとともに生活してきたヨーロッパやコーヒー生産国とは状況が異なります。そのため、本当に美味しいコーヒーを知らない人はまだまだ存在していると考えており、これは、我々にとっての最大の機会だと捉えています。  2つ目は日本人は品質に対する厳しい目を持っていることです。日本は世界一素晴らしい食品、製品に満ち溢れている国です。それゆえ品質を見る目が大変厳しい。私たちは目利きの人を「コノサー」と呼んでいて、コノサーのための一杯を提供してきました。私たちは私たちの提供するコーヒー、マシンの品質には絶対的な自身を持っております。その意味では、日本の消費者の厳しい目は、むしろメリットだと感じているのです。  そして、3つ目は時間の過ごし方です。これまで日本は、世界と比較して非常に忙しい国でした。家族で、レストランで時間を楽しむ豊かな時間は少なかったように感じ、デメリットでした。ただ、この環境は近年大きく変化してきており、日本人の時間の感覚が変わりつつあるということです」 <取材・文/HBO取材班>
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