――「ネスプレッソ」の日本登場は1986年のこととかなり昔のことにですが、売り上げは毎年概ね二桁成長だったとも言われています。なぜ日本市場でそこまで順調に成功できたのでしょう?
「ネスプレッソの登場以前日本では、ヨーロッパに比べると、本物のエスプレッソを提供している場が多くはありませんでした。そんな中に、優れた技術で、どんな人にも至福の一杯を提供できるようになったことが成功の要因だと思っています。また、ここ数年で一気に知名度がアップしたのは俳優のジョージ・クルーニーを起用したTVCMの影響も大きかったと思います。彼は単なるブランドアンバサダーとは異なり、ネスプレッソの企業理念に共感し、サポートしてくれています。ネスプレッソが行っている「ネスプレッソAAAサステナブル・クオリティプログラム」にも深くかかわり、南スーダンのコーヒー農業の再建を目指しているほどです。
また、2013年の表参道を皮切りに、全国にネスプレッソブティックをオープンさせ、ネスプレッソの世界を体感していただける場を増やしたこともその理由だと考えています」
――ネスプレッソブティックとは、世界55か国に400店舗以上あるが、日本だけでも21店舗も展開しています。過去の記事でもネスプレッソが戦略市場とみて日本への投資を加速すると答えているが、その姿勢はまだ変わらないのでしょうか?
「もちろん変わりません。いえ、むしろ更に強化していこうというようになっております」
――ここ数年の日本は、サードウェーブコーヒーなどのブームもあって、「豆」への注目度がアップするような現象もありました。
「サードウェーブコーヒーのブームは、日本人のコーヒーに対する舌が肥えてきているがゆえに起きたブームだと思っています。このことは、ネスプレッソの味わいを求める人が増えるというポジティブな影響に繋がると見ています」