退園保護者Bさんが受け取った副園長からの「直筆手紙」。殴り書きの文字で、到底教育者とは思えない文字が並ぶ。塚本幼稚園ではこれが日常化している
別の元保護者・Bさんも副園長の「直筆手紙」を受け取った一人。Bさんが受け取った手紙もこれまた尋常ではない。そもそも便箋でもなんでもなく、封筒に殴り書き。「○○ちゃんに『あなたのお母さんはわがままね』と申しましたら、『おならばかりする』と申してましたよ」と、文面もおよそ教育者とは思えない内容だ。
しかし驚くのはまだ早い。「直筆手紙」どころではない証言が次から次へと飛びだす。
「幼稚園バスを降りてから、家に帰るまでの間に、子供が必ずおもらしするんですよね」と、前出のBさんが口を開いてくれた。「ひょっとしてまだトイレトレーニングが完璧ではなかったかも」と、当初Bさんは自責の念にかられたそうだ。だが、どうも子供の様子がおかしい。子供に話を聞いてみると、どうやら子供たちは、幼稚園でトイレに自由に行かせてもらえていないようなのだ。
別の保護者Cさんは、子供達の水筒の中身が一切減っていないことで異変に気づいた。子供に尋ねると、「お茶飲んだらトイレに行きたくなる。怒られるの怖いから飲まない」と答えたと言う。
排泄に関する虐待まがいの行為に関する証言は「おもらししたパンツがそのままの状態で登園バッグに入れられていた」「透明のビニール袋にもらしたパンツを入れてみんなにわかるようにカバンからつりさげて帰される」などなど、枚挙にいとまがない。
しかしあまりにも証言の内容が酷すぎる。証言してくれる元保護者の方々の眼差しは、嘘をついているようには思えないが、その内容があまりにも現実離れしているのだ。こんな幼稚園、あるはずがないではないか。
念のため、別の私立幼稚園関係者に話を聞いた。
「他の私立幼稚園でも、塚本幼稚園からの転園者を受け入れている園は多いと聞きます。また転園に際して、幼稚園間のルールである在園証明書すら送ってもらえないと困っている園もあるようです。うちに転園されてきた方のなかには、塚本幼稚園で受けたトラウマから、子供が他の幼稚園に通うどころか、半年以上家の外に一歩も出れなかったと涙ながらに訴えてこられたお母さんもいらっしゃいました。その相談内容から考えると、保護者の方々の証言はほぼ真実と言っていいでしょうね」
大阪府の公表する資料によると、大阪府下に305ある私立幼稚園全体の充足率は74%。一方、塚本幼稚園のそれは50%にすぎない。塚本幼稚園は大阪市内でも待機児童が大きな問題となっている淀川区に立地するが、この充足率は区内ワースト1位。統計にも転園者続出は明らかに示されている。