ド辺境の島・加計呂麻を目指し、まずは東京から片道6000円の飛行機で奄美へ【タカ大丸の孤島でサブスリー!第二回】

地域のランドマーク、徳洲会病院

 さて、話はここからである。上記ルートで奄美までは成田から三時間少々だが、奄美空港から加計呂麻島までは五時間以上かかるのだ。  具体的には、空港で一日路線バス乗り放題券(フリーパス)を購入する。ちなみに一日分2100円である。これで「しまバス本社前」バス停まで行き、そこから南端の港「古仁屋道の駅」行きに乗り換える。「しまバス本社前」行きバスは12:45発である。  バスからの光景を見ると、まず目に飛び込むのは紺碧の透き通った海である。沖縄の海も綺麗だが奄美は最近やっとバニラが就航したくらいでまだすれていない。そんな雰囲気に憧れてか、最近は関東からサーファーの移住者が急増しているという。  建物を見ると、明らかに日本の本土よりも沖縄の影響が強くみられる。  台風に備えるためか、屋根の高さが本土より本土より低く、家の周りが屋根の高さと同じかそれ以上の壁で囲われている。何も知らずにこういう家の写真を見せられたら、沖縄のどこかの島と勘違いするに違いない。  ちなみに、私の目に入った範囲で奄美で一番高い建物は「徳洲会病院」である。元都知事との絡みで色々あった徳洲会だが、鹿児島の離島で医療を支えているのは紛れもない事実である。別媒体の取材で福島県浜通り(原発があった沿岸部のこと)における医療崩壊の現状を目の当たりにした私にとって、徳洲会の役割は認めざるを得ないものだ。

奄美名物・じょうひ餅はランナーの貴重な栄養源

奄美名物「鶏飯」

 一時半過ぎにバス乗り換え地点となる「しまバス本社前」に到着する。ちょうど昼食にいい時間だし、よく聞くと港までのバスがくるまで約20分あるとのことだったので、大急ぎで島名物「鶏飯(けいはん)」を試してみることにした。  鶏飯とは、一言でいえば薄味のだしをぶっかけたチキンライスである。元々は薩摩藩の圧政に苦しむ奄美の住人が役人を接待するために作った料理らしいのだが、白米の上に細切りにした鶏肉、シイタケ、錦糸卵、海苔、ネギ、パパイヤの漬物などをのせて鶏スープをかけて食べるものだ。バス停すぐ裏に鶏飯店「鳥しん」があるが、頼めば持ち帰りにも対応してくれる。1000円だ。  走る前の一週間は減量で炭水化物を摂っていなかったので、だしがからまった白米の味わいが口全体に広がる。そういえば、空港の土産店でフリーズドライ鶏飯セットが売っていたはずだ。これは東京へ帰る時に買わねばなるまい、と決意を新たにする。  三時半に島南端の港「古仁屋海の駅」に着く。加計呂麻行きのフェリーは五時半発なので、待ち時間のうちに目の前にあるスーパー、コンビニ、薬局で買い出しをすることになった。  スーパーで目を引くのは「奄美じょうひ餅」である。奄美産黒砂糖をもち米と水あめに練りこんだもので、食べてみると非常に甘く柔らかい餅である。ランナーにとっては、当日朝の炭水化物・糖分補給に最高の一品となりそうだ。  ファミリーマートに入ると、「オニポー」が売られている。これは沖縄名物のようなもので、おにぎりの間にスパムや卵焼きを挟んだ「ライスサンド」を海苔で包んだものだ。こういうところを見ると、奄美には沖縄文化が強く影響を与えているのだと痛感させられる。
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こんな所でグルテンフリー食品を発見
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