“エル・アパッチェ(デべスの愛称)”の上海デビュー戦は上記の通り。雨が降り底冷えする寒さの中で行われたが、申花ファンは気温以上に寒く感じる帰路になったに違いない。
しかし試合中のスタジアムは、アジアのそれよりも欧州に近い雰囲気に感じた。今回は申花スタッフの計らいでメインのVIP席で観戦させてもらったのだが、ゴール裏のファンが仕掛けたチャントに乗って身形に気を配ったVIP客もが一緒に歌うのだ。しかも座席区分関係なく全席が立ちっぱなしでだ。Jリーグでは感じることのない類である。
引き続き中国経済が好調で、サッカー市場へも資金流入される環境が続くのであれば、近い将来、この「大国」がアジアサッカーを席捲する画は想像に容易い。しかし予算規模で試合の結果が決まらないのもフットボールの醍醐味である。中国スーパーリーグ「中超」は3月4日に開幕する。まだまだ話題を提供してくれるだろう中国から目が離せない。
【佐々木 裕介】
1977年生まれ、東京都世田谷区出身。旅行事業を営む傍ら、趣味が嵩じてアジアのフットボールシーンを中心に執筆活動を行うフリーランスライター。自らを“フットボール求道人”とも呼ぶ。また「スポーツ×トラベル」の素晴らしさを伝える“スポーツツーリズムアドバイザー”としても活動中。
【アジアサッカー研究所】
東南アジアを中心としたアジア新興国と日本およびアジアの国々のさらなる発展のために、各国の取り組みをリサーチし、関係者に共有し、さらなる価値を創造していくことを目的として、人材開発とコンサルティング分野など、日本とアジアのサッカー交流を加速させるプロジェクトとして活動している。
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