トランプ大統領との握手時に見せた安倍首相の“自己嫌悪”とは?

このときの安倍首相の心情は?

 次にこの混合表情の根底にある感情の矛先、つまり安倍首相の心情を解釈します。  幸福表情は握手という状況において違和感のある表情ではないので、解釈から外します。首相の心情の可能性として次の2つを考えることが出来ます。 ①トランプ大統領の強く長い握手に、驚き、嫌悪している ②トランプ大統領の握手に違和感を抱きつつも、その原因が自己の通訳ミスかも知れないと気付き、自己にも嫌悪を抱いている  まず①の解釈ですが、このトランプ大統領の強い握手を安倍首相は昨年の11月に体験しているはずなので、今回、再びトランプ流の握手に驚いたり、微表情として強い嫌悪を安倍首相が抱く可能性は低いように思います。  次に②の解釈です。  動画の17秒からのシーンをご覧ください。日本の記者の方々から「こちらお願いします」というリクエストがなされ、トランプ大統領が“What are they saying?(彼らは何と言っているんだい?)”と安倍首相に尋ねます。安倍首相は、“Please, look at me.(私を見て下さい。)”と通訳し、それにトランプ大統領が応えます。  そこでトランプ大統領は、安倍首相をしばらく見つめながら、自身の方へ腕をグイッと引き、トランプ流の強い握手をします。安倍首相は、指を報道陣に向け、“Take a look(あちらを見て)”と言いますが、それにトランプ大統領は気付かず、しばらく握手が続きます。これがぎこちない握手として私たちの目に映ります。  握手を終え、両者手を放すのですが、安倍首相はこの握手に何らかの違和感を抱いていたのでしょう。そうであるからこそ、握手後に、安倍首相はハッと驚き、自分の通訳のミスに原因があったのかも知れないと気付き自己嫌悪したのだと思います。ぎこちない握手に「何か変だと」嫌悪を感じる一方で、自分のミスに気付き、これにも嫌悪を感じた、これが安倍首相の心情なのではないかと私は考えます。
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日米の文化の違いを知らなければ、表情分析は難しい
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微表情を見抜く技術

無意識の感情の表われ「微表情」を読み取ることで、誰でもコミュニケーションの達人になれる!