2020年、芸人大淘汰時代が到来する!?

かつての「芸人」ポジションが不明確に

――お笑い界のトップにいる芸人さんたちの顔ぶれが変わらない、いわゆる「上が詰まっている」という状況が常態化してしまっています。業界の外から見ていると、漫才やコントが一時的に評価されたり、「一発屋」としてブレイクしたりすることはあっても、冠番組のレギュラーを何本も持つような芸人さんは、もう現れないのでは?と思ってしまいますが、現在も近い立場にいるユウキロックさんはどのように見ていますか? ユウキロック:昔は「世代を代表する芸人」が必ず存在しました。僕らの若い頃はダウンタウンさん、とんねるずさん、ウンナンさんの世代で、お三方に憧れて芸人になった人は多かった。その後、ナイナイさん、ロンブーなど存在し、今でも多くの冠番組を持つ芸人なわけです。それが最近は坂上忍さんやマツコ・デラックスさんという芸人以外の人も多くの冠番組を持つようになりました。最近は、芸人とほかのタレントさんとの境目がボーダーレスになってきていると感じます。 ユウキロック氏――芸人さんがお笑い以外の分野に進出する一方で、かつては芸人さんが担当していた役割がほかのタレントに取って代わられてきているのかもしれません。ジャニーズや女性アイドルのグループもバラエティの冠番組をたくさんやっていますが、それだけ芸人さんが活躍する場が少なくなってきていますね。 ユウキロック:ただ、そんな中でも有吉(弘行)くんやバナナマンのお二人は冠番組を増やしています。だから「大会優勝者」や「一発屋」がそれ以降定着することがないのは、厳しい言い方かもしれませんが、ただ腕がないということだけだと思います。ちょっと厳しすぎますね(笑)。テレビの中で自分に適した場所を見出だせていないという方が適切でしょうか。劇場レベルでは芸人に勝てばよかったですが、テレビレベルでは芸人以外の人とも戦って椅子を確保しなければならない。それを踏まえて戦わなければならないですからね。
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芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。