まず、この資料をご覧いただこう。
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=129237
この一覧表には近畿財務局が、公共随意契約(学校法人や福祉法人など公共性の高い事業者限定に国有地を売却する特約契約)で売却した国有地の一覧だ。合計33件の取引が記載された一覧表のうち、たった一つ、森友学園に売却された土地だけが、価格非公開となっている。これはなんとも不自然ではないか。
豊中市の木村市議が情報公開請求を行うのも当然だろう。
しかし木村市議による情報公開請求は通らなかった。朝日新聞の報道の通り、財務局が「学園側から非公表を強く申し入れられた。公表によって学校運営に悪影響が出る恐れがある」としたためだ。
土地購入価格が明るみになることで「学校運営に悪影響が出る」事態とは一体なんのことなのか、一切想像できない。そんなことありうるはずもないから、森友学園以外の土地購入者は価格公表をしているのだろう。さらに不思議なことに、同じ朝日の記事の中で、学校法人の籠池泰典理事長は「非公開を求めていない」と述べている。双方の言い分が完全に食い違っている。
ここまでは朝日の報道が明らかにした不思議なポイントだが、財務局と学校法人はあの報道以降、さらに不自然な動きを見せる。なんと、報道の翌日、財務局は突如、前掲資料をアップデートし、当該土地の購入価格を公表したのだ。⇒
http://kinki.mof.go.jp/content/000159261.pdf
しかもご丁寧に「契約時に相手方の公表同意が得られなかったため非公表としていましたが、平成29年2月9日に同意が得られたことから、2月10日から公表することとなりました。」との注釈まで付いている。「平成29年2月9日」とはまさに朝日のスクープが出た日。その日にたまたま、これまでの姿勢と一転して価格公表の合意が形成されたと言うのなら、これほど「都合のいい」話もないだろう。
ただし、この「突然の価格公表」にはちゃんと言い訳が用意されている。これまた財務省作成が2月10日付けで公表した「豊中市所在の処分済み国有財産について」なる資料には、「価格を非公表とした理由」が記載されている。
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=129238
これによると、問題の土地には、地下埋設物があったと言うのだ。土地価格が廉価になったのはその埋設物撤去費用(後述)を差し引く必要があったからなのだと言う。さらに「相手方(注:森友学園)より、地下埋設物の存在が周知されることにより小学校に入学する保護者等への風評リスクが懸念されるため」非公開の要請があったと言うのだ。