「インドでは2か月で2万円しか使わなかった」元J1所属カレン・ロバートの堅実すぎる金銭感覚

プロスポーツ選手の活動期間は最長で約12年。やはり大卒者は不利

 筆者はカレンに、彼の立場ならどうするのだろうか聞いてみることにした。  ちなみに、その彼は東京の某私立大学を卒業している。 「だったら話は簡単じゃないですか。C級指導者ライセンスを取って、出身大学のツテでどこか私立高校の指導者とかすればいいんですよ。誰でもすぐとれるし、それで指導すれば月に30~40万くらいはいけますから選手時代の収入より全然いいと思いますよ」  問題は、彼がサッカーに関わりたくないと言っていることなのだが……。  以前カレン・ロバートと「サッカーでどんな選手が大成するのか」深く話し合った際、一致したのは「欧州移籍を考えるなら大卒デビューは遅すぎる」ということだった。  スポーツ選手は一生できる仕事ではない。サッカー選手なら30歳前後までの職業だ。カズや中村俊輔はあくまでも例外中の例外であり、ほとんどは今回の彼のように30手前でひっそりと引退というか「クビ」になっていく。つまり、高校卒業から残された時間は単純計算で12年しかないということになる。大卒だと8年しか残っていない。18歳から22歳までの期間をサッカーだけに費やすか、学業にかまけてしまうかの差はあまりに大きい。
次のページ 
「昼飯はスーパーのほうが安い」とスタッフに怒るカレン・ロバート
1
2
3
4
5