『君の名は。』韓国でも史上最大のヒット!「17回観た」「上映中に泣き声をあげた」韓国アニヲタ狂喜乱舞

なぜ今の韓国でも『君の名は』はヒットしたのか?

 日本映画が韓国で公式に解禁されたのが1998年。当時は北野武監督の『HANA-BI』、岩井俊二監督の『Love Letter』が公開され大ヒットとなった。『Love Letter』に至っては、韓国ドラマでリメイクされたり、再上映されたりと、いまだに日本映画の代表作となっている。劇中、主人公の中山美穂が叫ぶ「お元気ですか~!」のセリフは、韓国では余りにも有名だ。  奇しくも、『君の名は。』のエンドクレジットの中に、スペシャルサンクスとして岩井俊二監督の名前が出ている。『新海誠、その作品と人』(スペースシャワーネットワーク出版)の中に、新海誠監督と岩井俊二監督の対談が掲載されているが、新海監督によれば、『君の名は。』の中に、いくつも岩井監督作品のオマージュがちりばめられているとの事。  ちょうど『君の名は。』の絵コンテを書いている最中に、岩井監督のアニメ版『花とアリス殺人事件』が公開され、その影響をかなり受けたと新海監督自身が明かしているし、劇中のいくつかのアングルも、岩井監督作品のアングルを、オマージュとしてそのまま使っているとコメントしている。  岩井俊二作品や新海誠作品に流れる独特の叙情が、韓国人の琴線により触れるのかも知れない。確かに、北野武監督の『HANA-BI』も、宮崎駿監督の『ハウルの動く城』の叙情溢れる作品である。
次のページ 
韓国オタク文化が『君の名は。』の大ヒットを支える
1
2
3
新海誠、その作品と人。

新海誠25000字インタビュー