強権トランプが自著で語っていたトランプ流「ゴリ押し」成功哲学

photo by Gage Skidmore CC BY-SA 3.0

 2017年1月20日、とうとうドナルド・トランプ氏が第45代のアメリカ合衆国大統領に就任しました。公職経験のない人物が大統領になるのは初めてであり、また就任時の年齢としては歴代史上最高齢の大統領ということになりますが、就任早々、TPPからの離脱、メキシコ国境の壁建設、イスラム圏7カ国からの入国禁止など物議を醸す大統領令を乱発し、世界的な議論を巻き起こしています。  彼はこれまでに多数の著書を出しており、その中に大統領選挙に出る前の半生を語った、『トランプ自伝』という自伝があります。本書から、全米中の世論を二分させながら、見事、勝利をもぎ取った彼の強さの秘密、そして成功の秘訣を探ってみましょう。

成功の秘訣①欲しいものが手に入るまで押しまくる

 彼は本書の中で、自らの基本戦略に関して「ねらいを高く定め、求めるものを手に入れるまで、押して押して押しまくる」と表現しています。具体的なエピソードとして、彼が若い頃、「ル・クラブ」という高級クラブの会員になったときの話を見てみましょう。  「ル・クラブ」は、当時最も注目を集めていたクラブで、入会できるのは著名人や大富豪だけなど、その選考が厳しいことで知られていたそうです。  当時まったく無名だったトランプ氏ですが、このクラブにどうしても入会したいと思った彼は正面から堂々とクラブに電話をし、入会したいとストレートに告げたそうです。当然ながら断られると、次の日にまた電話をかけ、せめてクラブの会長の連絡先を教えてほしいと頼みます。そして会長に電話をした彼はひたすらしゃべり続けて入会を懇願し、面白がられて一緒に飲むことになり、やがて入会を許されたということです。  その後もこうした強気な姿勢を崩さなかったトランプ氏は結果として、美しい夫人(3回の結婚歴あり)や超高層ビル(「トランプ・タワー」)、高級ホテル(「トランプ・キャッスル」)、アメリカンフットボールチーム(「ニュージャージー・ジェネラル」)など様々なものを手中にし、最後には大統領の地位まで掌握することで、この戦略の有効性を示した形になっています。
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強権トランプを物語るエピソード
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トランプ自伝

全米ミリオンセラーとなった初の著書

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