一方のイスラエルは、トランプ大統領の登場によって、これからもパレスチナ領土での入植そして住宅建設は急増して行くのは目に見えている。東エルサレムで中断されていた566戸の建設が始まったと思うや、<ヨルダン川西岸地区でも2500戸>の住宅建設がイスラエル政府によって承認された。(参照「
Europa Press」)
今後もイスラエルは東エルサレムに<1万1000戸の住宅の建設が計画されている>という。(参照「
El Pais」)
しかも、イスラエルで入植を積極的に支持している極右政党「ユダヤ人の家」は、東エルサレムの<マアレ・アドミム地区での入植を積極的に進める計画>をもっている。ネタニャフ首相は米国でトランプ政権が誕生するまで、この計画の推進は控えるように促してきた。仮に、このプランを積極的に展開して行くと、アラブ諸国からの反発は必至だからである。
トランプ大統領が入植の支持者であるということならば、イスラエルにとって都合がよいことになったとも思えるが、ことはそう単純ではない。ネタニヤフにとっては、入植を積極的に展開することを支持している連立政権のひとつ極右政党「ユダヤ人の家」に対して、米国政府から要請を受けているから入植を抑えるようにといってコントロールするための口実がなくなったことを意味するからだ。(参照「
El Pais」)
いずれにしても、このような状況下では今後、入植が加速化されることは想像に難くない。
すでに、イスラエルによるこれまでの入植で<15万戸が違法に建設>されているという。イスラエルの住宅難に苦しむ市民にとって、入植地で住居を構えることは市街に住むよりもその費用は遥かに安い。3部屋のマンションを市内に求めようとすると<25万ドル(2900万円の)費用>が掛かる。入植地だとそれが<2万5000ドルから5万ドル(288万円から580万円)の価格>で手に入るというのである。(参照「
ゲートストーン研究所」)