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「フェイクニュース」と呼ばれる偽ニュースが世界的に問題となっている。アメリカでは昨年12月4日、ワシントンD.Cのピザ店にライフル銃を持った20代の男性が押し入り、発砲する事件が発生した。
報道によると、容疑者は警察の調べに対し、ネットで広まっていた「ピザゲート」を自ら確かめるつもりだったと供述していたという。この「ピザゲート」とは、昨年アメリカ大統領選が終わった後に拡散されたフェイクニュースである。
内容は「首都ワシントンのピザ店が小児性愛と児童売春の拠点になっており、ヒラリー・クリントン氏がそれに関わっている」などといったもの。幸いにもこの事件で負傷者は出なかったが、フェイクニュースが銃撃事件にまで発展したと大きく報じられた。
このような事態をうけ、米フェイスブックは、アメリカでフェイクニュース対策を開始した。こちらは、フェイスブックユーザーがフェイクニュースを発見すると、簡単に通報することができるというもの。しかし、フェイスブックでは真偽を判断せず、提携する外部機関に事実確認を委ねている。
外部機関がフェイクニュースと判定したものは「フェイクニュースの疑いあり」との警告を表示するとともに、表示順位も下げる仕組みとなっている。また、フェイスブックは、現在アメリカで導入しているこの機能を、近日中にドイツでも施行すると発表した。現在、事前準備作業を進めているのだという。
首相選挙を控えたドイツで実施する対策もアメリカの導入例と似ている。フェイスブックは事実検証に向け、非営利のジャーナリズム機関と協業する見通しだ。
一方で、今年大統領選挙を控えた韓国にも関連政策の導入が急がれるのでは、という声が高まっている。すでに大統領選挙に向け、これまでにない意欲を打ち出している潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長に関して言うと、「グテーレス新国連事務総長がパン氏の韓国大統領選挙出馬に対し反対している」というフェイクニュースが広まり、話題となっている。これを忠清南道(チュンチョンナンド)知事である安熙正(アン・ヒジョン)氏が引用し、「(パン・ギムン氏は)立候補する資格がない」と主張していたが、数時間後には発言を訂正するハプニングまで起きている。