そんなヨーロッパ市民の不安を代弁して支持を集めたのが極右政党である。彼らの共通した政策は次のようなものである。
●不法移民の本国への送還。
●シェンゲン協定を廃止して、欧州連合の間でも国境を復活させて、不法移民の流入を防止しコントロールする。
●ユーロ通貨を廃止して経済格差の是正をする。
●欧州連合を解体させて各国が国家の尊厳を取り戻す。
ユーロ通貨の廃止の必要性は難民問題が発生する以前から存在していた。経済レベルの異なった国同士が同じ通貨を使用するということ自体に既にひずみが生じているのだ。そして、自国の金融・財政政策が欧州連合委員会に委ねられるというシステムを今後も継続することに無理があるというのは鮮明になっている。しかも、ユーロ通貨の価値を一定に保つ為に、経済力のある国が経済力の弱い国に支援金を提供するということ自体にも支援金を提供する国の国民の間でその支援に反対する意見が強くなっている。何故なら、その償還がほぼ不可能であるということが判明しているからである。
その様な意味で、英国が真っ先に欧州連合から離脱することを決めたことを極右政党は支持している。「英国に続け」という考えなのである。また、英国の欧州連合離脱派は当初から欧州連合の解体を内心期待しているのである。ル・ペン党首は<「Brexitは欧州連合にドミノ現象を引き起こす」>述べている。(参照:「
El Espanol」)