パチンコ遊技機の音楽使用料について業界がJASRACと合意。業界の「健全化」に一役買うか

使用料発生は大勢には影響なく、むしろ健全化に繋がる?

 2016年のパチンコ・スロットの販売台数は、約240万台(パチンコ160万台、スロット80万台)。1機種当たりに、JASRACが管理する楽曲が、平均して何曲搭載されているのかは不明であるが、アニメや芸能人とタイアップした遊技機が次々と発売される昨今、平均10曲程度は使用されているのではないか。仮に10曲を平均値とした場合、販売台数240万台×使用料80円×10曲で、19億2000万円の支払いが発生する。  今回の合意は、パチンコ業界にとって大きな影響を与えるかといえば、そうではない。1曲当たりの使用料が80円である。遊技機1台40万円前後する現在、通常程度の楽曲の使用であれば、メーカー側の便乗値上げの口実にもならない。まして、使用料分を結局はお客さんに負担させるという話にもならないだろう。  パチンコ業界にとっては突然降ってわいたようなJASRACの主張ではあったが、どちらかと言えば、法的にグレーな部分をまた一つ解消した訳であって、「健全化」を謳う業界にあっては、支払金額の設定も含め悪くはない合意であったし、JASRACにとっても新たな収入源の獲得となり、双方万事納得の話ではないだろうか。 <文・安達 夕>
Twitter:@yuu_adachi
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