「格安チャネル」でありながら「セールを連発するGAP」との差別化難しく
オールドネイビーは元々「低価格」を売りにしており、その低価格ゆえにGAPよりも利益率が低かったと言われるのは当然であるが、不振の理由はそれだけではない。
まず1つは、日本における「GAPのブランドイメージ」だ。
GAPの日本上陸は1995年、東京・銀座への出店であった。それから約20年の時が流れ、日本国内でのGAPの主戦場は郊外型ショッピングセンターと移っている。近年、そういったGAPの店舗の前を通ると、かなりの確率で「SALE」の文字を見かけることができ、今や「GAPの商品はセール時にしか買わない」という人も多い。それほど日本国内では「GAP=セールを頻繁におこなう店」というイメージが定着しているのだ。
「70%OFF」の赤札が並ぶGAP。 上位ブランドのGAPが7割引きともなると早速オールドネイビーの存在価値は小さくなる
もともとGAPの価格帯(通常価格)はユニクロ、しまむら、ライトオンなどよりも上である。そのため、一見客には「価格が高い店」という印象が付いてしまう。一方で、GAPの店舗を良く使う客ほどセールのタイミングを見計らって購入するため、「半額以下の商品しか買わない」という人が大多数を占めるのではないだろうか。半額以下だと、オールドネイビーの類似商品よりも安く買えることさえ往々にあり、早速オールドネイビーの存在価値は失われてしまうことになる。