1月5日夜、ビットコインは急落し11万円を割り込んだ後、まさに乱高下を繰り返し、現在は10万2000円付近に落ち着いている。実質的に共産党による独裁制が敷かれ、外貨の規制が厳しい中国ならではのリスクが要因と見られているが、西田氏は「決して中国特有のリスクだけが要因ではない」と分析する。
「先進国であっても経済政策の失敗によって自国通貨から資金が逃避することはありますし、こうしたリスクをヘッジするためにビットコインを持つ人が少なくないということです。つまり、どの国家にも管理されていないビットコインの長所が、再び注目を集めているのでしょう」
各国が通貨安競争にしのぎを削る世界に目を向ければ、ビットコインの評価はさらに上がりその未来は明るいように映る。
「ビットコインとは、誰かが管理する必要のない仮想通貨です。価値を担保する人もいなければ、損失を補填する人もいません。ドルや円など、通常の通貨は各国の中央銀行が発行しているが、ビットコインには発行主体すらない。だが、我われが日々使っている通貨は、価値が担保されている、と言えるでしょうか?一方、ビットコインは、たとえ国が潰れようとも存在し続けます。先進国においても、国家間で資金を移動する際は手数料がもったいないので、ビットコインのようなシステムを銀行が独自につくれば、コストの削減という別のメリットがもたらされる」(西田氏)
こうしたシステムを支えているのが、先端技術のブロックチェーンだ。