サムスンの変化が、SK、LG、現代などの他の財閥グループにも影響を与えるのは必至だ。その結果、韓国の財閥支配構造の地殻変動に対する期待してもいい状況になった。
「フィナンシャル・タイムズ」は、2015年のサムスン物産合併が、李副会長の経営権強化のためのものであって、サムスン電子の株価を下げた事例をあげ、今回の「崔順実ゲート」事件による韓国政局の混乱において、「財閥は被害者ではなく問題の根源」という結論が出れば、財閥改革に対する政治の圧力は一層強化される。
朴槿恵大統領の父である朴正熙大統領(大統領在任1963年~1979年)が成し遂げた「漢江の奇跡」。その礎となった「財閥経済」を、娘が崩壊に向かわせる。何とも皮肉な話である。
<文・安達 夕>