「ソ連復活」も間近!? ユーラシア大陸を再びまとめつつあるロシア
例えば、トルクメニスタンは埋蔵量世界第4位とも言われる天然ガスの開発などでロシアが援助した因縁もあり、ロシアとの関係は良好であるものの、永世中立を掲げており、独立性を保つ姿勢でいる。
現在も親ロ派の2つの地方と紛争を抱えているウクライナは、今後もEUそしてNATOへの加盟を望んでいるが、トランプ次期大統領はロシアとの関係改善を求めており、その犠牲にウクライナの今後の行方が左右されるかもしれない。
リトアニア、ラトビア、エストニアも嘗てのソ連を構成していた国であるが、ロシア圏への復帰の意向はなく、逆にNATOがロシアからの攻撃を警戒して防衛に力を入れている三国である。
そして、ジョージアはNATOへの加盟を望んでいた国であったが、国内の南オセチア自治領はロシアへの復帰を望んでおり、ロシアが一時的にこの自治領住民の保護という名目で軍事介入したこともある。この問題がロシアとの円滑な関係回復に障害となっている。
結果的には、今もロシアの勢力下に入ることを明確に拒んでいるのはバルト三国、ウクライナ、ジョージアの5か国であると言える
更に、ロシアのユーラシア支配を絶対的なものにする要因は、イランがロシアと中国の連携に加わりつつあることである。この結束を促すことになった動機はウクライナ紛争と同様に米国が仕掛けたシリア紛争の解決の糸口を見出すことが出来ず紛争が長引いていることからである。しかも、トランプ次期大統領が政権に就いて保護主義を徹底させて行くとロシアはアジアそしてラテンアメリカにも中国と同様に勢力を張って来るようになるのは必至である。
本当に「ソ連復活」になるかはさておき、日本にとって今後、ロシアとの接し方はますます重要になる可能性が高いことは間違いないだろう。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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