北朝鮮でスマホ利用者が増加した要因はスマホの低廉化やスマホ向けサービスの多様化が挙げられる。
世界的なスマホの主流化に伴い安価なスマホ向け部品が登場し、スマホの低廉化が進行した。一方、フィーチャーフォンは世界的に需要が大幅に減少し、フィーチャーフォン向け部品は供給量が減少するなどフィーチャーフォンの新規開発は困難になりつつあり、採算性を考慮すると新規開発の利点は薄れている。
逓オ技術合弁会社のポスターは描かれる携帯電話がスマホに変わった
北朝鮮で販売されるフィーチャーフォンやスマホのハードウェアは複数の中国企業が開発や製造を担当し、ベースとなる機種が存在する。主に中国などで販売される機種をベースとして北朝鮮向けに一部仕様を変更し、北朝鮮ブランドを与えて北朝鮮の携帯電話事業者もしくは国家機関の傘下組織が販売する。多くの中国企業はフィーチャーフォンからスマホに移行しており、北朝鮮向けにハードウェアを提供する中国企業も例外ではない。要するにベースの機種がスマホに移行し、さらに低廉化の進行により、北朝鮮でも安価なスマホの流通量が増えた。実際に北朝鮮の携帯電話販売店を訪問すると、安価なスマホはフィーチャーフォンと大差ない価格で販売されており、大画面で写真やゲームを楽しめるスマホを選ぶのは当然と言える。
また、スマホ利用者の増加に伴いスマホ向けサービスが多様化し、スマホ向けサービスの拡充による利用用途の拡大は消費者のスマホ購買意欲をさらに高めた。