男性化粧品の出荷が倍増!隆盛する男性美容最前線

男性化粧品

都内で3店舗を展開する男性眉毛サロン「プラスエイト」は連日予約困難な状態

 経産省の「生産動態統計年報」によると男性用化粧品の出荷額は約10年間で約2倍にまで増加したという。20~30代をターゲット層にする男性ファッション雑誌『smart』では美容企画の連載をはじめるなど、男性美容市場が拡大していることがわかる。 「今の10~20代にとって美容に気を使うのは、髭を剃るのと同じ感覚なんですよ」  そう言い切るのは美容ジャーナリストの加藤智一氏だ。肌のケアから眉毛のトリミングまで男性が美容に気を使うのは、いまや当然の風潮があるのだという。 「最近ではアラフォーやアラフィフ世代までもが美容に興味を持つようになっています。これまでは髪を整えて、清潔にしてさえいれば許されていましたが、最近では出世の要素に“美”が含まれるようになったのが意識改革のきっかけになったのかもしれません」  欧米諸国ではメタボなどの自己管理のできていないビジネスマンが低い評価を受けるのが有名な話だ。日本もその風潮がやって来たということだろう。 「例えば、企業の社長がプレゼンの場で疲れた顔をしていただけで、株価に悪影響があると言われています。そのためレーザーでシミを取ったり、歯並びの矯正にホワイトニングなどを実践しています。そんなビジネスマンの姿を追ってアラサーが美容に気を使いはじめたのです」  とはいうものの、ファッション誌を読まなくなって久しい30代男性はどこをどう改善すればいいのかがわからない。そこで手っ取り早く雰囲気を変える方法として眉毛のトリミングが注目を浴びた。 「もともと、彼らの世代では細眉が流行った時期があったんです。さらに10年前に『メタボ』という言葉が流行語大賞にノミネートされたのもあり、体型や清潔感などグルーミング意識が高めの世代だったというのがあります。見た目を整える男性がさざ波のように普及して、自分もやらなければと思いはじめたのでしょう」  現在、都内の眉毛専門サロンは予約3か月待ちになるほど人気を集めているという実態もある。 「約7年前に韓流ブームが起きたことで日本の男性美容も韓流風のナチュラル感を取り入れるようになったんです。資生堂の広告でも妻夫木聡や瑛太など中性的な男性が起用されるようになりました。そのトレンドとともに印象の変化が顕著に出る眉毛スタイリングに注目がいった。アラサーの影響を受けたアラフォーたちも徐々にサロンへ通うようになっています」
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イケメンの主流は “東京五輪系”に移行!?
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