何が適切な指導法なのかということに関しては、非常に繊細な議論となってくるのですが、少なくとも子どもの感情の流れに沿った言葉のかけ方、指導の仕方が大切であると、私の専門知識からも、自身の経験からも言うことが出来ます。
今回のケースに限らず、様々な出来事に対する子どもの感情の持ちようを子どもの表情や行動を通じて、普段からよく観察する習慣を持って下さい。一見、普通に見える子どもの表情の隙間に、子どもの真のホンネが微表情として表れているかも知れません。
参考文献
Keltner D, Moffitt TE, Stouthamer-Loeber M. (1995). Facial expressions of emotion and psychopathology in adolescent boys. Journal of Abnormal Psychology, 104, 644-652.
<文・清水建二/写真・
ぱくたそ>
1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、公官庁や企業で研修やコンサルタント活動を精力的に行っている。また、ニュースやバラエティー番組で政治家や芸能人の心理分析をしたり、刑事ドラマ(「科捜研の女シーズン16」)の監修をしたりと、メディア出演の実績も多数ある。著書に『
「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(フォレスト出版)、『
0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)がある。