地域おこし協力隊の半数が任期満了前に辞職。定住しても働き口はなく……

隊員の人件費はタダ、その上自治体には補助金も

 そもそも地域おこし協力隊は国からお金の出ている制度だ。月約17万~20万円(手取り約14万~16万円)を3年間支給される。  年間でいえば200万円程度。これを12分割して支給している自治体が多い。ところがそれとは別に隊員一人あたり200万円の補助金が自治体には入る仕組みになっている。  地域によっては地域おこし協力隊の住居費にあてたり、隊員用の車を買う自治体もあるが、何に使われているかはっきりしない自治体も多い。  つまり自治体にとっては、国が給料を出して無料の職員を雇える上、別の補助金も懐に入れられる可能性がある仕組みなのだ。地域おこし協力隊は全国で2,625人。中にはひとつの自治体で20人もの地域おこし協力隊を受け入れている地域もある。無料で働いてくれる職員が補助金をかかえてやってくるのだから自治体にとってはカモナベ以上の美味しい話。一億円を各自治体にばら撒いた自民党は形を替えて地方への補助金をばら撒いているだけなのだ。
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任期満了後にも現地では仕事がなく、NPOを乱立
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