さらに加えて、今度はスウェーデンで発行している新札の発送が遅れ、新しい高額紙幣が約束された15日までに支給されていないという状態に陥った。なんと、ベネズエラ中央銀行でさえ新札は届いていないのである。その結果、住民の不満が爆発し、第2都市のマラカイボでは市民が不満から店に入って商品を略奪するという出来事も発生した。(参照:「
El Corabobeno」)
マドゥロ大統領も慌てて100ボリバルとの交換を<1月2日まで延期する>と18日に発表……と同時に、新札が予定通り届かないというのは反政府派の仕業だとした。彼自身の否は認めず、常に他人のせいにするのがマドゥロ大統領の政治である。(参照:「
El Pais」)
その様な事態の中で、両替で長蛇の列を作っている市民を相手に<コーヒー、ジュース、パンなどを売る新しいビジネスも誕生した>という。勿論、<価格は全て100ボリバル均一価格>だ。その一方で、無効となった100ボリバル紙幣を売買で受け取ることも拒否する場合が多く、市民はお金は持っていても何も買えないという状態になっているという。(参照:「
BBC」)
<文/白石和幸 photo by
Garry Knight via flickr(CC BY 2.0)>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身