「脱ゆとり」がさらに加速!? 安倍政権の「2020年教育改革」は何を目指すのか?
2016.12.08
2020年に大学受験をする現在の中学2年生以降は、この「2020年教育改革」の直撃を受けることとなる。文部科学省が教育方針を転換する一方で、財務省は相変わらず教員の給与見直しや教員数削減を求めており、すでに膨大な業務で過酷を極めている教育現場の混乱は避けられない。
藤原氏は、今回の教育改革には15年はかかるだろうと予測する。
「2020年代中、この移行が続いて、2030年ぐらいに高校の授業がグンと『情報処理力』から『情報編集力』に寄っていきますが、それでも半分半分くらい。ディベートするにも知識がないとできませんから、知識をため込むということもバッサリとカットはできません。2030年ぐらいになって高校でようやく知識、記憶の部分が半分、それからディベートを含めたコミュニケーション技術や情報編集力の部分が半分という感じになっていくでしょうから、かなりゆっくりとした変化だと思うんです」
「脱ゆとりだ」、「詰め込みではなく考える力だ」と、教育政策が変わることで影響を受けるのは何よりも子どもたちである。今後、首相が交代し、あるいは政権交代が起こったとしても、この変革はしっかりと引き継がれていくのか。2020年、オリンピックだけに目を奪われることなく、その先で「教育改革」の大義がどのように着地し、国の未来に資するものとなるか、注視していく必要がある。
<文/HBO取材班>
※フジテレビの「ホウドウキョク」(http://www.houdoukyoku.jp/)でネット配信中の番組『教育のキモ』をまとめた書籍『日本人なら知っておきたい 2020教育改革のキモ』では、藤原和博氏ら専門家が日本の教育問題を語っている。
『2020教育改革のキモ』 これらの疑問に対し、教育界気鋭のメンバー20人が徹底解説 |
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