北朝鮮土産の新トレンドとして浮上したあの製品。でも故障時が大変
別の人物が購入したタブレットは、ある時電源が入らなくなってしまったという。電源が入らないため障害原因の特定ができず、日本で修理できる場所を探すも案の定、すべて断られてしまった。そのため、仕方なくショップ関係者が今年8月に訪朝するときに3台持参して到着直後の平壌空港3階の電気店で修理を依頼したところ、女性店員は少し触った程度で、修理はできないと言ってきたそうだ。
製品を預けるから北朝鮮滞在期間で修理できないのかと再度食い下がるも滞在期間(5日間)では部品も手に入らないし、修理は無理だと最初から修理をする気がないような言い回しで断られたそうだ。しかも、そもそも端末の保証は1か月間だと繰り返し強調されたという。
端末を北朝鮮まで持ち込んだショップ関係者は、壊れた端末を修理できないまま北朝鮮を出国後、中国吉林省の長春へ立ち寄り、電気街で相談したところ、男性店主はおもむろに端末を開けて部品を眺め近所の店からいくつかの部品を取り寄せて作業したところ40分ほどで3台とも正常通電して起動した。
店主曰く、これらの端末の中身は中国製なので交換部品があって、3台とも電源周りの部品が壊れていたので交換して直したという。修理費用は3台で200元(約3250円)だった。
中国の電気街恐るべしといったところだが、もしこの店主が言った通り、北製と称するタブレット端末の中身が中国製で、北朝鮮には交換部品がなく、修理自体が難しいとするならば、北朝鮮人は買ったタブレットが壊れたら一体どうやって修理しているのだろうか。
さまざまな疑問を抱かずにはいられないものの、マニアにはウケること鉄板な北朝鮮土産の新しいトレンド。もし訪朝することがあれば一枚購入してみるのも一興かも。
<取材・文・撮影/中野鷹>
なかのよう●北朝鮮ライター・ジャーナリスト。中朝国境、貿易、北朝鮮旅行、北朝鮮の外国人向けイベントについての情報を発信。東南アジアにおける北朝鮮の動きもウォッチ。北レス訪問が趣味。 Twitter ID@you_nakano2017
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