現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は、過去2年間の間に52.3%から55.7%と増えています(「厚生労働省労働安全衛生調査」平成25・27年)。
そのストレス内容(3つ以内の複数回答)について聞いてみると、「仕事の質・量」が57.5%と最も多く、次いで「(セクハラ・パワハラを含む)対人関係」が36.4%、「仕事の失敗、責任の発生等」が33.2%となっています。
武神健之氏
過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者の割合は0.4%、退職した労働者の割合は0.2%というデータがあります。250人の従業員がいると1年間に1人は、メンタルヘルス不調による休職をしているという具合です。
ストレスの原因には必ずしも自分だけで対処できないものがあります。対処してもすぐには改善しないこともあります。ストレスに反応する中で、その反応自身がストレスになってしまうと、人はストレス症状を呈し、いわゆるメンタルヘルス不調になってしまいます。
ストレスに上手に反応することは大切です。しかし、反応そのものがストレスになってしまう前に、ぜひ、自分だけで溜め込まず、同僚や友人、家族などあなたの周りにいるあなたのサポーターに相談していただけると幸いです。
<TEXT/武神健之>
【武神健之】
たけがみ けんじ◯医学博士、産業医、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。20以上のグローバル企業等で年間1000件、通算1万件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を行い、働く人のココロとカラダの健康管理をサポートしている。著書に『
不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣 』(産学社)、共著に『
産業医・労働安全衛生担当者のためのストレスチェック制度対策まるわかり』(中外医学社)などがある