12年前の著書でドナルド・トランプが語っていた、「勝利」の秘密

 また、常に尊大に見える彼だが、報じられる彼の支持者を見ると、貧困層の人であっても非常に親しみを持って彼を支持している様子が窺える。その背景には、彼が<自分の考えがいかに高尚かを力説するばかりでは、相手は嫌気がさし、悪くすると、その場から一刻も早く逃げ出したいと思わせることになる>ことを熟知し、<人を威圧して信用させるのは良くない。相手には、自分の意思で決定したと思わせなければならない>ということを実践していたからにほかならないだろう。  さらに、こんな気になることも彼は同書で語っている。 <わざと情報を少し漏らしたり、挑発的な意見を言ったりして、反応を見よう>と。  本来は交渉相手の気性を図るために行っていたようだが、彼のメディア戦略でもこうした考えが反映していたように思える。
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一日三時間内省していたトランプ
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