兎にも角にも、パチンコ業界が抱える最大の問題は、その「射幸性(≒ギャンブル性)」であり、この問題は2017年以降、日本におけるカジノの設置問題と相まって、その深刻さをより増していくだろう。国会でカジノ議論が活発になればなるほど、ギャンブルとしてのパチンコが引き合いに出される。業界を管轄する監督官庁でもある警察庁が憂慮しているのも、「体裁の娯楽」と「本質のギャンブル」の矛盾を突かれることであり、だから業界に対する締め付けも自ずと強くなる。
当面の問題は、2016年末までの遊技機撤去の問題。警察庁が指摘した「検定機とは性能の異なる可能性のある遊技機」-メーカー出荷時に法律で許可した仕様とは異なる形で納品された(可能性のある)遊技機を、パチンコ業界は年末までにすべて撤去しなくてはならない。その数、約70万台。対象となっている遊技機は、MAX機と呼ばれている、射幸性が一番高いもの。パチンコ店の売り上げを牽引してきた遊技機の撤去は、来年以降の業界の下降スピードを一層加速させる可能性が高い。
時の栄華を誇った、一大レジャー産業の斜陽。パチンコ業界の課題は、減り続けるお客様をいかに食い止め、いかに増やすのかという問題では終わらない。カジノを見越した政治との兼ね合いのなかでも、今後の業界は翻弄されていくだろう。
<文/安達 夕 写真/
Caito>