ただ業界側も無策ではない。PGA(日本プロゴルフ協会)では、参加費74520円で、14回のレッスン及び3回のゴルフ場でのレッスンからなる、新規ゴルファー創出に向けた「
ゴルフデビュープログラム」を提供している。その他にも、アマチュアゴルフを統括しているJGAではゴルフ場利用税の廃止に向けた取り組みを続けていたり、2011年にパチンコメーカーである平和が子会社化したPGMホールディングスでは、旅行会社と提携し宿泊施設や送迎サービスの提供をしていたりする。
何よりも、リオデジャネイロオリンピックにおいて、約1世紀ぶりに正式種目に採用されたことで、2020年の東京オリンピックを目指す若手の台頭や、それに刺激を受けた一般ファンの増加が見込めなくもない。
日本は世界有数の「ゴルフ大国」であることは変わりない。プロゴルフツアーにおける韓国ゴルファーの台頭は目覚ましいが、それでもゴルフ場数、参加人口において、日本はアジア随一を誇ってもいる。
レジャーの多様化やファンの可処分所得の低下等を踏まえるとき、ゴルフ産業の劇的な回復は見込めないが、それでも無くなることのない日本の一大レジャー産業ではある。
今後の4年間、ゴルフ業界はより一層、新規参加者のハードルを下げてくるであろう。誰もが気安く手軽に楽しめるレジャーとしてのゴルフを標榜して。
始めるなら、今。業界が市場規模や参加人口の減少スピードを少しでも鈍化させようとする時こそ、一般の参加者のメリットは増大するだろう。
<文/安達 夕 写真/
工藤隆蔵>