ヤフーの「どこでもオフィス」は従業員の満足度を満たすか

祝日も家でパソコンを開いて働いていた筆者

 働き方が多様な欧州では、在宅勤務に対する抵抗があまりありません。現に筆者も、体調がいまひとつのときや、家にいる必要があるときなどは、オフィスに行かずに自宅で働いてもいいという欧州の会社で働いていました。これはつまり、パソコンを自宅に持っていって仕事をしていいという意味でもあります。  ここで生じうる課題は何でしょうか。  それは、「オンとオフをどのように区別するのか」です。自宅でいつ仕事をしてもいい。特に誰から監視されているわけでもない。夜中でもいつでも時間を問わず、パソコンを開いて仕事を始めることができるわけです。  筆者の場合、猛烈に働く上司を持っていたことがあります。その上司は祝日でも働いていることが多く、祝日でもメールをどんどん書いていました。ルール上は祝日ですので、こういったメールは見る必要はありませんが、熱心な上司が祝日もフルスピードで働いている。猛烈に働くことを生きがいにしていた私も、当然のように祝日でもパソコンを開き、働くことを選択していた時期がありました。  結果、オンとオフの区別をしなくなりました。筆者のような行動を皆がするわけではないと思いますが、やはり会社員としては、いつでも働けるという状況下のもと、オンとオフの区別をどのようにするのか。この点は真剣に考える必要があります。場合によっては、あらかじめルールを決めるのも手だと思います。
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情報漏洩対策に相当なお金を投じる欧州企業もある
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