ここからは、崔順実夫婦(2014年に離婚)と朴槿恵大統領に関わる「疑惑」である。
・崔順実氏が実質会長を務める「ミル財団・Kスポーツ財団」に大統領権限を行使し多額の寄付金を集めている。
・朴槿恵大統領が決めた人事に関わっている。少なくとも現在「青瓦台の権力3人組」と呼ばれている李在万補佐官ほか2名は、朴大統領が国会議員だったころに崔氏夫婦が推薦している。
・崔氏の娘である鄭ユラ氏の、梨花女子大(韓国の名門女子大)への不正入学及び進級操作に関わっている。
その他、外交や国税、資金集めに関わる様々な憶測が疑惑として報道されており、韓国の報道では「青瓦台の権力順位は、1位 崔順実、2位 鄭允会、3位 朴槿恵」とまで揶揄されている。
現在、崔順実氏は娘らとドイツで暮らしており、韓国「世界日報」の単独インタビューによれば、大統領の演説原稿に手を加えたことは認めているが、それ以外は疑惑を全面的に否認している。また帰国し説明するとしているものの、今は飛行機に乗れないほど衰弱していると涙ながらに語っている。
母親の暗殺から始まった、一国の大統領と、ある種新興宗教との密接な関係。40年にも渡る光と闇。B級韓ドラのような紆余曲折と、漫画『20世紀少年』にも描かれていそうな過去と現在のしがらみ、黒幕の蠢き。もう朴槿恵大統領の青瓦台は、民衆の怒りの中に沈んでいくしかない。
<文・安達 夕>
1976年生まれ、40歳。会社員の傍らフリーライターとして活動。