インターネット規制緩和が進むベトナムで、中国最強チャットアプリが「ある用途」で大人気に

 商都ホーチミン市の場合は、サービス料1時間50~60ドルと伝えてくる。多くの場合、自己紹介もなく機関銃のような連射で大量チャット攻撃を受ける。

観光地が集まるホーチミン市1区

 何人かとやり取りして気づくのは、サービス料がほぼ統一されていることだ。1人の女性へ聞いてみると各女性はフリーランスのように見えて、実は組織化されており、エリアごとに元締めのような存在がいるとのことだった。  ベトナムにおけるWeChatのこのような活用方法は、2014年ごろから増え始め、本家中国でも極一部の地域では存在するも一般的ではない(中国では監視が厳しいことも影響していると思われる)。ベトナムはWeChat=デリヘルアプリとして、本家とは違う活用をされているのだ。  そもそもベトナムは風俗産業への規制が厳しく、当局と店側のいたちごっこ状態でオープンしても数か月も経たないうちに消滅することも珍しくない。そのため最近は地下へ潜る傾向がありそこへインターネットが受け皿となっている形だ。

デリヘルを呼んで拘束される例も

 しかし、ベトナムは未婚の男女(外国人同士は問題なし)が1つの部屋で宿泊することを原則禁じている。そのため、デリヘリを利用してうかつに部屋へ呼んでしまい拘束される邦人も後を絶たない(多くの場合はフロントで断られる)。これらの点でベトナムと中国は非常に似ている。
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規制の理由は「監視ができるようになった」から!?
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